第3章 刺激を求めて
「えぇっ!?明日、休みなのに学校行くの!?」
宇菜が高校に入学して一ヶ月程経ったある日、大和は不満そうに声をあげた
「うん。ごめん、球技大会の準備を手伝う事になって…」
宇菜は申し訳なさそうに大和に謝る
明日はデートをする約束だったのだ
それを急遽キャンセルするなんて大和の気分が良くないのは当然だった
「…僕とのデートより大事なことなの?」
「そ、そんな事言ってないよ」
「どうだかね。宇菜ちゃん、高校で気になる人でも出来たりしたんじゃないの?」
大和の目が細くなる
何か疑われた気分になり、宇菜は大和に詰め寄った
「そんな事、あるわけない!私が好きなのは…大和くんだけだよ…」
大和の言葉に傷つく自分がいた
好きで…好きでしょうがないのに…
「それに、私もデート楽しみだったから残念だよ…」
しゅん、と落ち込むと大和の手が頬に添えられる
と同時に上を向かされていた
「うん。そうだよね、ごめんね宇菜ちゃん。宇菜ちゃんの事を疑った僕を許して」
「大和くん…。大丈夫、私は怒ってないから…」
まるで叱られた子犬のように大和は泣きそうになる