第2章 快感に溺れる
ーーー……
「じゃぁ、お母さん行ってくるからね」
玄関で仕事に向かう明子を見送る
相変わらず忙しいようだ
バタン、と音を立ててドアが閉められた事を確認すると
不意に腰に手が回される
驚いて宇菜は隣の大和を見上げていた
「やっと二人きり、だね。宇菜ちゃん」
嬉しそうに微笑む大和
その笑顔を見るだけで宇菜は赤面していた
好きだと自覚しただけで、こんなにも幸せだとは思わなかった
「あれ、宇菜ちゃん。顔真っ赤。何か期待してる?」
「ち、違うよ。大和くんがかっこよくて見とれてただけだもん」
ぷいっと顔を反らす
あの綺麗な顔を見続けていてら永遠に顔を真っ赤にして過ごすことになってしまう
だが、大和は腕に力を入れると宇菜を抱き寄せていた
「なんだ。誘ってくれてるんだね?」
「なっ…ちがっ…」
唇があっという間に塞がれる
直ぐに侵入してきた舌がとても熱い
クラクラしそうな熱に宇菜は大和の服を掴んで倒れないようにした
しかし、大和はそれを都合よく解釈し
「ふふっ。やっぱり、宇菜ちゃんも僕が欲しいんだね」
小悪魔のような笑顔を見せる大和から目が離せなかった