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あの子はいとこ【R18】

第1章 帰って来た従兄弟





名前を呼ばれ、もそもそと布団から顔を出す



リビングから声を上げる母親、明子



無視したかったが、後がめんどくさいことになる



宇菜はあくびをしながらリビングへと向かった



「もぉ、せっかく今日から春休みだっていうのに」



ぶつぶつ言いながらリビングのドアを開ければ、そこには客人がいた



女性と少し年下の男の子


それを見て一気に目が覚める



「よ、葉子さん!?それに大和くん!?」



叔母と従兄弟だ


仕事の都合上オーストラリアで暮らしていたはずだが



「いつ戻ってきたの!?」



宇菜はお茶を飲んでいた二人に駆け寄る



「久しぶりね、宇菜ちゃん。昨日、帰って来たのよ。しばらく見ない間にきれいになって。」


「そうなの!?何で連絡くれなかったのよー」


「ふふっ。驚かせようと思って」



葉子は美しく笑った


年齢より若く見え、とても子供がいるとは思えない程だ



「大和くんも久しぶり!なんか、雰囲気変わったね」




もともと病弱だった大和


髪も肌も瞳も色素が薄く、日本人ばなれしているように見える


おかげでオーストラリアでも簡単に馴染めたと聞いていたが…



「………」


「あ、あれ?大和くん?」



反応がなく、困ってしまう


すると再び明子が声を荒げた



「宇菜!着替えてきなさい!」



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