第2章 男の正体。
ーぇー
驚きながらも嬉しさを隠せない私を優しくフォローする。
「大丈夫ですか?驚いたかな?笑)大丈夫だよ。不審者じゃないからね。」
なにこれ。
ズルい。
私だけってズルいよね。
優しく微笑むその顔は想像以上に綺麗で王子様だった。
私にはそう見えたのかもしれない。
「ぁの…。すみません。仕事があるので失礼しますね!またお会いできるといいですね。」
「はぃ…」
王子様は馬に乗って去って行った。
馬ではなく歩いていたが…。
ー私、きっと今日、死ぬんだよ。いや、死んだ?いや、生きてるな。ん?ただの幻?ー
もう数分前に王子様は去ったのに今だに信じられない。
当たり前か。
無理もない。
私は1人でニコニコ帰った。