第1章 blue

「はいらない?その気持ち」




質問したのは私なのに
いつの間にか彼が私の答えを待つ。
その状況にまた私の気持ちが
濁っていく。





…いらない?

いらなかったのだろうか、
彼を思って
自分がちっぽけな物に感じて
こんな私でいいのだろうかと
意味もない不安を感じる日々、

こんな気持ちなら

いらなかったのだろうか
好き、の気持ちだなんて。




「なんで好きだなんて思うんだろう」



会話のキャッチボールが出来ないまま
彼の目線も掴めないまま
うつむいた私は一体何がしたいのだろう。





「運命の人を見つけるためじゃない?」




彼の暖かな言葉だけが
私の耳に届いた。