第1章 blue
「世界に沢山人がいる中で
と一緒にいるために
必要な気持ちだと。
それが全部じゃないけど
少なくともおいらは運命の人だって
そう思ってるから」
私は何がしたいのだろう。
こんな優しい言葉を言われて
これ以上何を
だから、と言葉を続けた彼が
「こっち向いて」と。
顔を上げると
はらり、と顔に冷たい何かが落ちる。
空を見上げると大きな白い雪が
私たちに降り注いで
ちゅ、っと
甘い熱さを唇に感じた。
「誰もヒントくれないからさ
この気持ちだけが答えだよ」
「…智くんの運命の人は」
「こら、言わせんじゃないよ」
「うん」
冷たい空気と
コーヒーでも温まらなかった冷たい手。
「好きだよ、が」
微笑んだ彼の指先が私の小指に絡まると
伝染するかのように溶け始めた
私の頬。
END.