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君と紡ぐ100のお題

第5章 purple






「さん聞いて下さいよ~!」



亮介さんに説教した次の日、
千佳ちゃんが朝っぱらから
腕にしがみついてきた。



「…はいはい、今度はなあに」

「三樹さん、ひどいんです!」



三樹さん、つまり亮介さん。



「うん、どうしたの」

「ちゃんと上司に戻るからごめんね、
 だなんて…」



謝ったのか、亮介さん。



「うん、千佳ちゃん、
 亮介さんは奥さんいるんだから
 もうやめなさい。」

「…いやです、バラします…私」



ほら始まったよ。
バカじゃないの、亮介さん。


そうやって見境ないことやってるから
こんな女の子が増えるんじゃん。



「千佳ちゃんも、悪いでしょ?」


私の言葉に千佳ちゃんは、眉を歪ませる。

「なんでですか!?
 私、1回ヤられて捨てられたのに!?」



ヤられて…って、おい。



「どうしても、って言ったのは誰よ?
 亮介さんが受け入れたのが悪いと思うけど
 気持ちなくてもいいからって
 覚悟して関係持ったのは千佳ちゃんでしょ?
 なのに、バラすのは卑怯よ。」


千佳ちゃんが何も言えなくなる。




亮介さんの言うことを信じるのか、
と思うかもしれない。


でもそこは自信がある。
あの人は嘘はつかない。

やったことはやった、
やってないことも…
自分のせいにする癖がある。



「1回キリの約束したんなら
 これ以上亮介さんに関わるのはやめて
 いい人探そう!
 千佳ちゃん、可愛いんだから
 もったいないよ」




「……はい」

「うん、じゃあ仕事しよっか」

「はい!」






亮介さんの後処理をするのは
決まって私。


なんなの、このシステム。



私だって私だって






私だって、








私だって、



私だってなんなんだ。

自分が何をしたいのかわからない。




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