第5章 purple
元凶である目の前の男性が
それをわかってか、わからずか
また空気の読めない発言をする。
「それだけ?」
「は?」
「ちゃんからは
言われたくなかった」
時折見せる亮介さんのその眼差しは
多くの女性が被害に合うのもわかる気がする。
でも私は違います。
こんな男、まっぴらごめんだ。
「…は?」
「千佳ちゃんは
彼女がどうしてもって言うから
抱いたの。俺断ったよ?」
「貴方の頭ん中どうなってんの?
宇宙?もはやブラックホールですか?
道徳というものも飲み込まれたんすか?」
私のなまいきな発言に怒りもせず、
能天気に笑う宇宙人。
「相変わらず厳しー!
でもしょうがないじゃん、
モテちゃうんだもん。」
…………、だもん、じゃねーよ。
「……あなたお子さん、いるんですからね」
そう言うと、
さっきまでのヘラヘラ顔がスッと消え
「じゃあわかった、
ちゃんがそう言うなら
千佳ちゃんにちゃんと伝える。」
なんて聞き分けのいいことを言う。
「…あ、そ、そうですか。」
案外すんなり了解してくれたことに驚いた。
なんだ、亮介さんって
頭の中宇宙人だけど
話せばわかってくれる人じゃない。
「ちゃんと納得のいく
終わり方にしてあげて下さいよ
亮介さん大人なんですから」
「俺大人じゃないもん、」
「だから、もんって可愛くないです」
「くそ、ちゃんは
どう攻略していいかわからんぜ」
「どこの方言ですかそれ」