第4章 yellow
「どうなの?潤くんとは」
「え!ど、どうって、何」
俺には見せない、
潤くんの話をした時だけに見せる
きみの表情。
「連絡きた?誕生日」
「…うん、おめでとうって」
他の男を思って嬉しそうに笑う姿も
好きだなと思ってしまう私は
どこまで自虐的なんでしょう。
「早く付き合いなさいよ」
「そんなの…言えないよ、怖いし」
「大丈夫だって、あなたなら」
「和くん、・・・誕生日だから優しいね」
ありがとう、頑張るね
と少し泣きそうなきみ。
ばかじゃないの
俺があなたに優しいのはいつもだし
優しくするのは下心があるからだし
それすら気付いてもくれないってことは
最初から俺はその対象ではないって意味で。
「今日だけ、特別よ?」
「えー、ケチ」
「あ?じゃあプレゼントあげない」
「え!プレゼント!?ほしい!」
「…あなた、欲求に素直よね」
「早く!プレゼント!」
目をキラキラさせる彼女
さっきまで潤くんのことを思い浮かべて
泣きそうになっていた人と
同一人物だなんて思えない。