第4章 yellow
「…や、だ、カズくん、」
「…なあに、どうしたの」
「…わたし、っ…めんどくさくないように
頑張る、からっ…だから
嫌いに、ならないで…」
自分でも何を言っているのか
わからない。
あまりにも幼稚で
それ事態がめんどくさいと
思われても仕方ないのに。
「…あなたさあ、」
と呆れたように笑う彼が
そのまま言葉を続ける。
「バカすぎて笑える」
それに対して
ごめんなさい、としか
言えなくて。
「…ちげえわ、バカ。
こんなことでいちいち面倒と思ってたら
最初っから付き合ってねえわ。」
自分の目尻から
こぼれ落ちる何かを感じた。
「……ねえ、はる?」
と私の方向いて首を傾げる彼。
「俺さ、はるに何かされて
それを面倒だとか、束縛だとか、
思ったりしない。
そんな風に思う相手だったら
付き合ったりしないよ、…わかる?」
優しく私に問いかける声が
心地よくて
頭は自然と縦に下りた。
「…サプライズとか
死ぬほど恥ずかしいんだから
あなただいぶ愛されてるよ私に」
言わなくても
彼を見ていればわかることなのに
言葉ばかりを追いかけて
彼の気持ちを見失っていたのは
私の方だ。
「…う、っん」
「…ふふ、泣きすぎ。
…何年でもずっと一緒にいてよ
俺にはあなたしかいないんだから
ね、はーるちゃん」
彼の口が仔犬の様にフンワリ上がる。
ああ、ダメだ。
この可愛い顔に
何度やられたらいいんだろう。