第4章 yellow
下をうつ向いたまま
唇を噛んでいると
いつものように私で遊び始める彼。
「…はーるぽん」
「……」
「……ぱるちゃーん」
「……」
「…ねえ、はるさんってば」
「……」
そんな可愛く呼んだって
私は負けないんだから。
今負けたら後悔する。
彼に泣き顔は見せたくない。
重たい、だなんて思われたくない。
だからなんて言われても、
と思ってたのはつい先程。
「はる」
と真面目なトーンで呼ばれた
私の名前に
「…………」
「…ふふ、やっとこっち見たな」
「…あ、」
「…あ、じゃないよ。
あなたどんだけ手かかるのよ」
そのセリフに
上がった肩が下がる。
ほら、まためんどくさいと思われた。