第3章 gleen
仕事も終わって家路につく。
着替えを済ましていつものスエットに、
腹減ったけどまずはビールが先。
冷蔵庫を開けると
「あ、」とつい声が漏れてしまった。
「…なんでここに入れたの俺」
ビールと共に仲良く冷えた携帯。
さすがにまずい、30過ぎてこれはやばい。
にも関わらず
俺の溢れだした興味は止まらなくて
携帯を手に取って耳に当ててみた。
「うっわ、冷めて!」
と意味もなく1人で笑って
「………、」
しん、とする部屋に 寂しくなる。
結婚、したいなあ、なんて
彼女がこれを見て笑う顔を思い浮かべて。