第3章 gleen
俺の机に椅子をくっつけて
ちゃんが問題を説明してくれる。
「相葉くん、教科書、は?」
「んー、ない!」
「え」
「忘れちゃった!」
「・・・(持ってきてないだけだな)
ん、じゃあはい、これ使って」
「さんきゅー」
ちゃんの教科書を借りて
ペラペラ捲った。
「うわ、綺麗な教科書だねえ」
「相葉くんの方が綺麗そう」
と口を抑えて笑った彼女。
「え、なんで?」
「使ってないでしょ?」
「わ、凄いね、なんでわかんの?
でも俺使ってないのに部屋に埋もれて
ぐしゃぐしゃだよ」
その言葉に、ふふ、と笑った彼女が
「だめですよ」
と敬語で注意する姿に
つい見とれてしまう。
「・・・」
「ん?なに?」
「・・・あ、いや、なんでも」
「さ、始めようか」
「う、うん」
一人でするよりも
断然わかりやすくて
問題はどんどん進んで
でも少し気を抜くと
彼女に視線がいってしまい
勉強どころじゃなくなって。