第3章 gleen
「・・・でね、ここはこのグラフがあるから
Xが5、てことがわかる・・・
あ、相葉くん?」
「・・・ちゃんってさあ、
睫毛、長いよね」
「・・・き、いてます?」
「あ、ごめん、聞いてなかった」
「こら!」
「あはは、ごめんごめん」
「一緒に卒業しようよ」
「え?」
「で、私が大学生になっても
みんなで遊ぼうよ」
「・・・」
「あ、でも相葉くんは忙しい、か」
と寂しそうに言ってくれる
ちゃん。
「そ、そんなことない!
遊ぶ!遊ぼう!俺ちゃんと遊ぶ!」
俺の勢いに少し驚いた顔をすると
「じゃああと少し、
頑張ろっか」
とあの優しい笑顔。
また俺の中で
ふわっと優しい気持ちが広がる。
「俺、ちゃん好きだ!」
「え・・・、う、うん私も相葉くん好きだよ」
「ほんと!?じゃあ雅紀でいいよ!」
「え、あ、じゃ、じゃあ雅紀・・・くん」
「うん!良かったあ、
卒業前に仲良くなれて!」
「・・・ふふふ、そうだね」
この時芽生えた気持ちが
「好き」だったなんて気づくのには
もう少し時間がかかったけど。
最初から俺の中できみは
特別な存在で。
「雅紀くん!」
「あ!ちゃん!」
「よかった、一緒に卒業だね」
「うん、ちゃんのおかげだよー!
あ、そうだ、今度ライブあるから
見に来てくんない?」
「え、いいの?」
「うん、いーよいーよ!」
「ありがとう」
「ふふ、卒業しても遊ぼうね?」
「うん、もちろん」
見ててね。
今からきみを
手に入れる勉強は
一人で頑張るから。
END.
「相葉さん、今日張り切ってない?」
「うん!聞いて驚くな二宮くん、
今日のライブ、好きな子が来んの!」
「へえ」
「驚けよ!」
「どっちだよ!」