第3章 gleen
振り向くと
「どうしたの?」
と優しく笑うきみがいて。
「~っ!ちゃんっ!いいところに!」
席を勢いよく立って
きみに近づいた。
「ななななな、なに!」
と身構える彼女。
「あ、ごめん!いや女神さまが来たと思って」
「め、がみ?」
「今から予定ある!?」
「ううん、何にも、ないけど・・・」
不安げに俺を見つめる彼女に
さっきまで沈んでいた気持ちが
ふわっと浮き上がるのを感じた。
「これ!勉強!教えて欲しい!」
「え!わ、わたし!?」
「うん!俺これ提出しないと
卒業できないんだって」
「え!そ、それはまずい」
「でしょ!?お願い!
俺ちゃんが教えてくれるなら
ちゃんと出来そうな気するの!」
「え・・・」
「え?」
「あ、う、うん。頑張ろっか」
と俯いてふふ、と笑うきみに
またやる気が出る。
すごい!
ちゃんって
ほんとに女神さまかも!