第3章 gleen
「ちゃんまだ彼氏できないの?」
あれから2時間経った。
まだみんなからの連絡がない。
LINEで連絡しても
既読にすらならない。
もうワインも2本目で
雅紀くんもいい感じに酔っ払っている。
「う、うん、やめようよ
そういう話は!私何にもないもん」
いつもは恋愛話なんてしない。
みんなでいるとバカな話ばかりで
っていうのもあるけど
やっぱり雅紀くんは芸能人なわけで
そういう話は友達でも立ち入れない
プライベートな話だから。
ていうのは建前で。
この気持ちがバレるのが怖いし
気まずくなりたくないし
大体・・・恋のネタが・・・ない。
「うっそお、
だってこの間健二が言ってたよ?」
「けんくん?な、何言ったのあの人」
けんくんの名前が出た瞬間
手に汗をかく。
けんくんはいつものメンバーの一人。
私の気持ちを唯一知っている男子。
(もちろん女子はみんな気づいてると思う)
「ちゃんのこと可愛いって」