第3章 gleen
メニューを一人で見ていると
彼が「俺にも見して」と
メニューをテーブルに置いた。
二人でそれを覗くように見ていると
「これ旨いよ」
と写真を指差した彼。
「へえ、美味しそう」
メニューにおろしていた視線を上げると
あまりにも近すぎる彼の顔に驚いた。
「じゃあこれね?」
いつもと変わらない笑顔で
笑う雅紀くん。
「う、うん」
「それとね、これも、
あ、はいはい!俺これ好き」
「う、うん」
「あ、ごめん、俺ばっか!ちゃんは?」
「いいの!うん、それにしよう」
「わーい」
好きだなんて
アイドル相手に言えないよ。