• テキストサイズ

君と紡ぐ100のお題

第2章 red








そしてそれは彼も知っているはず。


私にとって明日が
どれだけ大切な日なのかを。


なのに


家に着くといつもと変わらない、
なんなら
いつもより気をつかっていない彼が
「おっかえりー」と一言だけくれた。



ただいま、と言って
コートを脱いだ私に視線もくれず
イヤホンをつけたまま
「ロシア語」と書かれた本に夢中で。



彼も散々言われたあの言葉を
くれるかと思いきや
その素振りも見せないこの方に
なんだか拍子抜け。


別に励ましてほしいわけではない、
ただなんとなく、
勝負の前日に疲れてしまって。



スーツ姿のまま、
彼の座るソファーの隣に腰かけ
頭を彼の肩へと倒した。




/ 449ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp