第1章 blue
「………」
だ、だめだ、だめだ。そんなこと考えちゃだめだ!智くんはお仕事が大変なんだから!と頭の中の考えを消すために、首を横に振った。
それでもやっぱり
なかなか会えない仕事柄。
久しぶりに一緒にできる夕食は
凄く楽しみで、昨日眠れなかったくらい。
だけど
あんなに謝られたら
甘えることなんて
わがままなんて言えるわけない。
ほんとは今すぐ帰ってきて欲しい。
冷めないうちに料理を食べて
2人で美味しいねって笑って
また私を抱き締めて
おやすみのキスをして
目が覚めたら隣にいて
皆が当たり前に出来ることを
望んでいるだけなのに
なんて、
そんな感情が溢れだす。
私はいつも
きれいごとを並べて
聞き分けのいい彼女を演じてしまう。