第6章 『ブッキングデート』
「じゃあ!」
がぜん張り切るラビ。
これとこれ! それからその上にこれを着て! とまるで着せ替え人形のように服を押しつけられ、更衣室に詰めこまれるウリエ。
しばらく腕の中の服にキョトンとしていたが、「どうさー?」と聞いてくるラビに我を取り戻し、急いで着替える。
「お待たせしました……あの、これで良いでしょうか?」
ジャ。と更衣室のカーテンを開けて出て来たウリエ。
先ほどまでのシンプルで清楚なウリエはどこへやら、パステルグリーンのレースをたっぷり使ったミニスカート、さらけ出された白い足が目を引く。
腕は薄紫色、前身と背中はクリーム色のブルゾン。その中は蛍光の黄色とピンクの少し丈の長い星の散らばるデザインシャツ。
「いい! やっぱり似合うさ!」
あ、靴はこれね。と差し出されたのは、銀のスパンコールが全体を覆う重たそうな見た目のスニーカー。
「清楚なウリエちゃんもかわいいけど、病みカワで原宿なウリエちゃんもかわいいさ!」
「な、なんだか目が痛いです」
「見慣れないだけ。さ! 次はスイーツ!」
ウリエはその格好のままレジに行き、ラビがすんなり会計を済ませる。
「スイーツ、何が好きさ?」
「特にありません、甘いものは何でも好きです」
「くぅ! その笑顔最高!」
「ラビさんは元気ですね」
「んあー。リヴァイさんははしゃぐタイプじゃなさそうだもんな」
「そうですね。あら?」
店を出て、リヴァイが待つと言っていた場所へ視線を向けたが、そこに彼の姿はなかった。
きょろきょろとあたりを見回すウリエ、ラビはその高身長を生かし、ウリエより先にリヴァイを見つけた。