第23章 3対3
過去のトラウマを少し克服した飛雄からの提案は
打ち抜けないならなら“躱す”
翔陽のありったけの運動神経と反射神経でトスを打て
と言うものだった
しかし飛雄のトスは翔陽の思った以上に速いもので
何回やってもタイミングが掴めず悪戦苦闘した
日向
「うぅ・・・
全然タイミングがわかんねえよ・・・」
影山
「お前反応速いんだからもっとこう
バッ!と来いよ、グワッ!っと!」
日向
「「バッ!」なのか「グワッ!」なのかどっちだ!!!」
田中
「Σ重要なのソコじゃねえよ!!」
菅原
「——影山
それじゃあ中学の時と同じだよ
あっ、え―――っと・・・」
影山
「・・・日向は機動力に優れてます
反射・スピード・・・ついでにバネもある
慣れれば速い攻撃だって・・・」
菅原
「日向のその
“すばしっこさ”っていう武器
お前のトスが殺しちゃってるんじゃない?
日向には技術も経験も無い
中学でお前にギリギリ合わせてくれてた
優秀なプレイヤーとは違う
でも 素材はピカイチ」
孝支の言葉に落ち込んだり喜んだりと
コロコロ表情を変える翔陽
菅原
「・・・お前の腕があったらさ
なんつーか
もっと日向の持ち味っていうか才能っていうか
そういうのもっとこう・・・えーっと・・・」
『孝支がんばって』
菅原
「なんかうまいこと使ってやれんじゃないの!?
ズバ抜けたセンスとボールコントロール!
そんで何より・・・
敵ブロックの動きを冷静に見極める目と判断力!!
・・・俺のは全部無いものだ」
田中
「そ、そんなことないっスよスガさ(澤村「田中、一回聞いとくべ」
菅原
「技術があってもヤル気もありすぎるくらいあって
何より・・・“周りを見る優れた目”を持っているお前に
仲間のことが見えないはずがない!!」
孝支の言葉を聞き考え込むこと数分飛雄が出した結論は
影山
「俺はお前の運動神経が羨ましい!!
だから能力持ち腐れのお前が腹立たしい!!
お前の能力俺がぜんぶ使ってみせる!
——お前の1番のジャンプで
とべ
ボールは俺が“持って行く”!」