• テキストサイズ

イケメン夜曲 ~ノエル~ 2人の時間

第2章 ノエルの部屋


「こちらです」

2人はノエルの家のドアの前に立ち、部下がカギを開ける。

「今はお休みのようです」

2人は静かに部屋に入った。ノエルはベッドで眠っている。

「では、私はこれで」

「はい、ありがとうございました」

部下は一礼して退室した。

ユイはノエルのベッドのそばにあった椅子に座ると、小さな声で囁いた。

「ノエルさん…」

ユイは投げ出されてるノエルの手をとり、頬に寄せた。

「早く良くなってね・・・」

(私、ノエルさんが怪我したって聞いて、胸が張り裂けそうだった・・・)

(もしかして私・・・ノエルさんのこと・・・)

「・・・ノエルさんが来ないと寂しいよ・・・」

つ、と涙が頬を伝う。

(涙が勝手に・・・)

「ユイちゃん、泣いてるの・・・?」

気付くとノエルが目を開けてユイを見ていた。

「ノエルさん! 起きたんですか?!」

(いけない! 泣いてたら変に思われちゃう。笑わなきゃ)

「ノエルさんの好きな紅茶とお菓子持って来たんですよ。今紅茶淹れますね!」

ユイは笑顔を作り、顔を隠すように席を立つ。

「待って、ユイちゃん」

ノエルがユイの手を掴み引き寄せる。

「わ・・・!」

反動でノエルのそばに倒れこむ。

(ち、近・・・!)

ユイの頬の涙の跡をノエルがぬぐう。

「さっきの本当・・・?」

(さっきの・・・? 聞かれてた?!)

ユイの顔がカッと赤くなる。

「あ、あの、さっきのは独り言で・・・!」

離れようとするユイの手をノエルが掴む。

「分かってる。つい本音が出ちゃったんだよね」

ノエルはにっこり笑ってユイの指にキスをする。

(あわわわ・・・)

ユイは必死で話題をかえる。

「あ、あの、怪我は大丈夫なんですか?!」

ユイは真っ赤になりながら一番聞きたかったことを尋ねた。

「ああ、全然大したことないんだけど、周りが大げさに騒ぐから休んでるだけー」

「・・・よかった」

ユイはようやくホッとした。
/ 5ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp