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【黒バス】幼馴染み。【赤司】

第1章 01


 私には幼馴染みがいる。

 生まれた時から一緒に過ごしてきた幼馴染みは家族同然で、家族ぐるみでの付き合いが当たり前だった。
おかげで同い年の幼馴染みとは性別が異なりながらも仲が良い。
時には兄のような、弟のような、けれど家族のようでいて家族ではない、なんて言葉で表現するのがなかなか難しくも感じるけれど、特別な関係であることに違いない。
友人よりも大切で、家族でなくとも同等の関係を築いている今に不満もなかった。

 そんな私たちの距離は近い。
それを自覚したのは小学校に入学した時だった。
普通だったものが異常だと知って、少し彼との距離を考え始めたのもこの頃だ。
手を繋いで過ごす日常を先ず変えて、隣にいる人物を少しずつ変えていった結果、少しの距離を保つことに成功した。
普通の、一般的な幼馴染みの距離に仕立て上げることが叶ったのである。

 中学生にもなれば何処に行くにも必ず一緒だった彼とも別行動を取るようになり、誰の目から見ても正常な距離を作れるようになった。
家族ぐるみの付き合いは今でも続いているが、顔を合わせる機会は大分減ったように思う。
しかしこれが、別の自覚をさせることとなった。

 私の幼馴染みは、随分と出来る人だった。
学年一位の学力を持ち、一年生ながらバスケットボール部副主将を任せられるほどの運動神経と統率力。
おまけに見惚れてしまうほどの端正な容姿。
教師に絶大な信頼を得ながら、他生徒からの信用も絶大だ。
特に女生徒には人気が高かった。
様、と敬称を付けて呼ばれるくらいには憧れの存在となっているらしい。
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