第6章 腐った世界
【望】
「ぁ!…ふっぁぁっ、ヤダ…ッ」
「ホント、可愛い顔してるね。もっと鳴いてごらん」
昨日のオッサン
余程、金と時間持て余してんだな
制服プレイが、余程お気に召したのか
今日は昨日とは違うタイプ
普段俺が着てるような学ランを指定して
『ハジメテ』を演じてなんて‥‥
「オジサンが教えてあげるからね」
「怖くないよ。痛いのは最初だけだからね」
‥‥キモイって
今日は、最初から1対1って
その上、その行為を、人に見て貰うのがまた興奮するらしい
ガラスの向こうに、ギャラリーなんてオプション付けて
俺を攻める様を皆に見せ付けてる
怯えて泣き喚く俺を
脂ぎったオッサンの肌が重なり
優しく撫で回す
‥‥激しくされるよりキツい
サトシ、大丈夫だよ
突っ込まれて揺すられながら、
冷静に金の事考えてられる
身体ひとつで稼げるんだ
俺だって、誰かの役に立てるんだ
だから平気だ
ただの繋がる行為くらい
ナンテコトナイ
白い天井を見つめながら、
突かれるタイミングに合わせて喘ぐ
身体を反らせ、感じてるフリをする
全部全部
雅紀のためになるって、
アイツの生活がラクになるって、
だから、身体を差し出す事くらいなんでもないんだよって‥‥
もしかして俺は、
そんな自分が嬉しかったのかも知れない
オマエの為だって言いながらね
ヒーローにでもなったつもりでいたのかな
だって初めてだったんだ
ゆうに頼られた時、俺でも誰かに必要とされるんだって
この時はまだ‥‥
何も知らなかった
ヒーロー気取りの俺の行動を
自分のせいだと、全部自分が悪いんだと
涙を流し、深く傷付いたヤツがいたことを‥‥
オマエを追い詰めたなんて、
俺は何にも知らなかったんだ
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