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真昼の月 真夜中の太陽 【気象系BL】

第6章 腐った世界


【キミはトモダチ】





-雅紀side-






ニノは、

俺よりちっちゃくて
可愛い顔してるクセにさ

いつも偉そうで

ちょっと意地悪で

口が悪くって……







だけど、 なんだろ



一緒にいると、落ち着く



ずっと昔から一緒にいたみたい



それに、なんだかんだ言って
『しゃーねぇな』って、ため息吐くくせに



目ぇ細めて、
優しい顔するんだ アイツ







いつからだろう


ニノが‥‥


俺を、“雅紀”と呼ぶようになったのは‥‥









机に伏せて眠ったニノを横目で見ながら、パンを頬張る


黒い髪が陽に透けると、茶色く映って


規則的な寝息を立てる度、 柔らかそうな髪が揺れた


蒼白い肌は儚くて、頼りなくて……心配になる





「雅紀、これ食う?」

「……食う!ありがと」





隣に座ったしょーちゃんが、レタスサンドを渡してくれて


それを受け取り、フィルムをピリッと開け頬張った




昼休みになったら、自然と集まる空き教室


3人でダラダラ過ごすのも、当たり前になったけど


最近、ニノはほとんど食べずに寝てる事が多くて


元々、『食いもんに執着ない』なんて言ってたけどさ






彼女だなんてホントなの?







俺、見ちゃったんだ


制服の袖に隠れたアザ


うーんって、体伸ばした時にね、見えたんだよ



ニノが何にも言わないって事は


言いたくないんだなって思う





だから、ハシャいで気付かないフリして


俺は、そんなことしか出来なくて……






思ったんだ


‥‥俺はニノのこと、なんにも知らないね








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