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真昼の月 真夜中の太陽 【気象系BL】

第3章 汚ねぇ大人になるように


【close to you】










「‥‥らしくねぇかな」






早めに4時限目を抜けて、 一番乗りで行った購買部


アイツの好きな焼きそばパンを、2つ買っておいた







朝起きたら、アイツはもうバイトに行った後で


テーブルの上には、おにぎりの乗った皿





ラップを捲り、ひと口かじる





「やっぱ、クソマジイな(笑)」





塩加減おかしいだろ


そして、閑散とした部屋のあちこちに、アイツの気配が残ってた






おにぎりと一緒に、ポカリと茶色に変色したりんごのウサギ


泡の残った洗い物


干してたハズの洗濯物が、一応畳まれてた







「余計なコトすんなって‥‥」









そのまま、雅紀の教室を覗くと
姿を確認する前から、あの笑い声が聞こえた


緩みそうになる口元を抑え、姿を確認したと同時に、



「まさ‥‥」





入り口にいる俺に気づいたのは、
雅紀じゃなく、一緒にいた知らないヤツだった


ソイツは、雅紀に俺を指差しなんか言ってる






「ニノ!」


椅子から立ち上がった雅紀が俺の元にやって来ると

当たり前みたいに、ソイツも後ろから着いて来て




「あのね!うちのクラスに転入生来たって聞いてない?」

「あ、なんか女子が騒いでたような」

「なんと!俺の中学の先輩なんだよ」

「先輩?」




警戒心を抱き、目線を送ると
爽やかな笑顔が俺に向けられた




「初めまして。櫻井です。
入院してたから、ホントはみんなより年上なんだけど」


「世間ってセマイよね?
まさかしょーちゃんが同級生になるなんてさ~」

「複雑だな」

「嬉しいクセにぃ~」

「雅紀、お前相変わらずだな」

「‥‥‥」




整ったキレイな顔立ち

溢れる清潔感

いかにも育ちのいいお坊ちゃん

明らかに、
俺とは種類が違う














神様はきっと、僕がキライなんだ


僕が大切にしてる物は
全部全部奪ってしまう


まるでそれは、
指間からすり抜ける砂のように 



最初からなかったみたいにね‥‥






全部‥‥全部‥‥ 消えてなくなるんだ






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