第2章 無限に続く愚かな優しさ
【キミヲオモウ 2】
昼休みになったら、
「ニノっ」‥‥っつってさ
教室までくるかなって、勝手に予想してて‥‥
だけど
なかなか姿が見えないから、空き教室に行ってみたけど
やっぱり、アイツは来なくて‥‥
別に、さ
『お昼は一緒に食べよう♡』
‥‥みたいなね?
約束なんかするワケねーし
別に、ぜんっぜん構わないんだけどね?
‥‥とか思いつつ
あんなコトあった後だけに
気になる‥‥し
罪悪感が消えたワケでもないし‥‥
「へ?‥‥休み?」
まじで‥‥?
「なんか、風邪らしいよ?いっつも元気なのにね」
「ね~」
痺れを切らし‥‥
アイツのクラスに行ってみたら、まさかの欠席
やっぱり、
相当落ち込んでんだな
だよな……初恋だし
振られてんだし
(俺のせいだけど)
こんなに、自分以外のコトに
結局、自分のためでもあるけど
必死になる自分が正直キモチワルイ
「ココか‥‥」
アイツの担任に教えて貰った住所を頼りに
やってきた場所は、見るからに古いアパートで
アパートの真ん前では、
ランドセルを背負ったガキが遊んでる
その脇を横切り、
目に入ったポストは錆びてて、鍵さえ付いてない
その気になりゃ、中のモノも盗めそうだ
一応、エレベーターはあるけど
まじで動くの‥‥?って心配するくらいガタガタいってて
雅紀の住んでるトコなんて、想像したことなかったけど
なんか、ちょっと懐かしい雰囲気でほっとした
3階の教えられた部屋番を確認し、インターホンを押すと
明るい女の人の声が聞こえて
俺が“二宮です”って応える前に、玄関のドアが開いた
あまりの勢いに、ビクッとした俺の前に現れたのは、
雅紀によく似た女の人だった
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