第14章 陽のあたる場所
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いきなり肩を掴まれて、
背後に引き寄せられたと思ったら
予想外の力にバランスを崩した。
「おあっ!」
雅紀に抱き抱えられるみたいに背後に倒されて
一瞬拗ねた顔が見えたけど、
それは直ぐに赤い顔に変わる。
「なにすんだよ!あぶねーだろ!」
強がりを言ったとこでもう遅い。
うん、と応えながらも、締まりのない顔は隠せていない。
確実に俺の下半身に目がいってた。
……気付かれた。最悪だ。
“俺のが”反応しちゃってるとこ。
透けた服着た雅紀に欲情してるなんて、
俺変態じゃん。
「ね。ニノ、
怒ってない?」
「怒ってねーよ。離せよ」
「ホントのホント?」
「ホントだよ。もー、お前頼むから」
濡れたTシャツがペッタリ俺にくっついてくる。
雅紀の体温が肌に伝わってくる。
「ヤダ。
だって、俺......」
そんで気付いたら
雅紀に見降ろされていた。
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