第14章 陽のあたる場所
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「ほらっ!」
「ありがと。ごめんね」
俺にTシャツを渡してくれるけど、
顔も見てくんない。目も合わせようとしない。
そんなに怒らせちゃった俺?
「俺、あっち片付けとくから、
お前着替えたら」
素っ気ない言い方に、ズキンと胸が痛くなる。
……なんだよ。
そりゃ俺が悪いけど、ワザとじゃないんだし、
そんな怒んなくたっていいじゃん!!!
俺の気持ちなんか気づいてないだろ!!!
そう思ったらなんかムッとして、
背中を向けた肩を掴んで、強引に引き寄せた。
「おわっ!」
バランスを崩したニノの顔が俺の方を向いたから、
文句のひとつでも言ってやろうと思ったのに
......出来なかった。
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