第11章 世界にひとつだけの花
【月はみていた】
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はぁはぁと頭上で声が上がるにつれ
押さえられた頭は強い力が加わる
そして、口の中でドクンとソレが大きく脈を打った途端に
口いっぱいに体液が注がれ
吐き出そうと身体を剥がそうとしたのに、また頭を固定された
「飲め」
低い声に、喉を鳴らすとそれでも口端から、溢れる
吐き出した体液の青臭い匂いに、眩暈がした
クタクタの身体が解放され、ぺたんと地面に倒れる
だけど、もちろんそれだけで終わるワケもなく
完全に異常を奇した男の目が、僕を捕らえた
身体に跨がられ、中途半端に脱がされたズボンと下着を脚から抜かれた
下半身が外気に曝され、恥ずかしさと再び感じた恐怖で、脚を閉じようとしたのに
グイッと太腿から脚を持ち上げられ、
口に感じた以上の圧迫感が下半身から全身に広がる
「いっ…!!ンッ」
叫び声を上げそうになると、男は側に落ちてた僕の下着で口を塞いだ
嗚咽が闇に消され
引き裂かれるような痛み
熱い欲望が何度も抜き挿しを繰り返す
意識が朦朧として
身体を揺らされながら、男の肩越しに月が見えた
僕を見てるのに
助けてはくれない
月明かりに照らされた僕は
惨めで汚く映ってるだろう
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