第11章 世界にひとつだけの花
【紙飛行機】
『僕のかぞく』
2ねん1くみ
さくらい ゆう
ぼくのお父さんは、まいにち会社に行って、おしごとをがんばって、えらいとおもいます
だけど、休みの日には
ぼくとお母さんをドライブにつれていってくれたり
ぼくとキャッチボールをしてくれます
お母さんの作るごはんは、いつもおいしいです
お父さんとぼくが、「おいしいおいしい」と言ってたくさん食べると
「よかった」と言ってわらってくれます
ぼくは、やさしいお父さんとお母さんがだいすきです
『たいへんじょうずにかけましたね。
ゆうくんのお父さんとお母さんをだいすきな気持ちがつたわってきます』
あかい色えんぴつで
せんせいは、大きなハナマルをつけてくれました
オレンジ色の夕やけが沈んで
空が、うす暗くなったころ
ウチの近くの橋で、立ち止まった
ランドセルを肩から降ろし、ハナマルの付いた作文用紙で、紙ひこうきを作った
そして僕は、
夕陽の見えなくなった空めがけて、
ピューッと投げた
紙ひこうきは、すごく遠くの方にとんでいって
……見えなくなった
まるで空に溶けたみたいだ
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