第9章 BAD KIDS
【きみのためにできること】
『櫻井、な…復讐ってさ……
お前は俺がどうなったら気が済むワケ?』
……復讐?
しょーちゃんがニノに…?
『やだよ?お前に一番効く方法なのに』
俺が苦しめば、ニノへの復讐になる?
『俺が、死ねばいいの?』
しょーちゃんは、ニノを……?
やだよ
そんなの、ダメだよ
どうやったら、やめさせられる?
しょーちゃんが、ニノにあんな事しないように……
俺が、……できることは
「しょーちゃんっ!」
「久しぶりだな~空き教室…って、いきなり何の用だよ?」
昼休み
ニノに内緒で、しょーちゃんを呼び出した。
ふたりっきりで話したい事があるんだって……
俺に……できること
「ニノが一緒だと、話しにくいからさ」
「なんだよ?」
いきなり呼んでも、嫌な顔ひとつしないで、
笑ってくれるしょーちゃん
いつだって優しいしょーちゃん
それは全部、
偽物だったんだね
「俺ね、しょーちゃんが好き」
「は?」
「だから!好きだって言ってんの!」
「……ふざけんなよ。お前が好きなのは、にのみっ…ん!」
目の前に立つしょーちゃんの腕をグッと引いて、
顔を斜めにすると
チュッと、唇でそれに触れた
「なっ!なにっ…す…」
「これでも信じてくんないの?」
甘えるみたいに首を傾げて笑って、
動揺するしょーちゃんの瞳を見つめた
俺には難しいことはわからない
しょーちゃんがニノを傷つける為に、俺を巻き込むってんなら
そうしたらいいよ
だったら、俺を傷つける時間が長ければ長いほど、
ニノに関わる時間も少しは減るってことだよね
「本気だよ。付き合お?俺と」
ニノが犠牲にならないよう
俺が、一番側でしょーちゃんを見張ってるから
これぐらいでしょ?
俺にしか出来ないこと
バカだから、他になんにも思い浮かばなかったよ
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