第9章 BAD KIDS
【異空間】
教室に入った瞬間
その視線は俺を捉え、
爽やかなその笑顔が一瞬にして
裏側の闇を映す
「ホントに来たんだ?」
ガタンと音を立て、櫻井の向かい側の席に座った
「雅紀、授業中ずっと寝てたよ。
昨日もよく働いたんだろうねぇ」
「……」
櫻井を無視して、携帯を取り出し
ゲームを始めた
結局、苛立ちを抱いたまま、眠れず朝を迎えた
寝不足と精神的なダメージで、疲れきったはずの身体は
ピリピリと張り詰めた神経のせいか、
まったく眠気を催さない
「くれぐれも俺の機嫌損なわないでね?二宮君」
画面から視線を上げ、櫻井を睨む
だけどヤツは、楽しそうににやついたままだ
「…さぁ、始めよっか。
"トモダチゴッコ"」
櫻井の視線の先
近付いた足音
ガタガタとドアを軋ませながら顔を覗かせたのは‥‥
驚いた雅紀の顔
……だけど、脳裏には鮮明に
昨日見た雅紀の姿が映し出されてた
表情に出てしまわぬ様、必死で平静を装った
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