第8章 僕達の失敗
【モノクローム 2】
緊張で心臓がバクバクいってる
ドキドキして、真っ直ぐに前を向けない
「お前、デコ赤くね?」
ニノがバカにするみたいに呟いて…
だけど、その目はすごく優しくて…
それだけで胸が詰まりそうだった
ニノは、あんなに酷い事を言った俺を
……させた俺を、
許してくれるの?
「いつまで立ってんの?昼休み終わるよ」
「あ…うん」
しょーちゃんの隣の席に座り、コンビニの袋からおにぎりを出した
ニノは、もう食べ終わったのか…ケータイを弄ったまま
「いただきます」
ぼそっと言いながら食べ始めた俺に、ニノは何の反応もなく…、
だけど、
不意に顔を上げると
「なに…?そんな見んなや」
鬱陶しそうな顔してさ
「いや…あのっ…もう食べたのかなって」
「…あ~、ならそれ、ちょうだいよ」
俺のおにぎりを指差す
「えっ!」
「ワタシ…なんも持ってきてないのよ」
「あ…、そんならさっ!これっ」
ガサガサと、袋に入った別のおにぎりを出そうとしたのに…
「ソレでいいって」
身を乗り出したニノは、
食べかけのおにぎりを俺から取り上げ
あっという間に食べてしまった
「新しいの…あったのに…??」
「小食だから、コレで充分だよ」
「…そ、う…?」
なんか変に恥ずかしくなって、しどろもどろになった俺を
しょーちゃんがクスクス笑った
しょーちゃんは、俺の気持ち知ってるからな
やだなぁ…もう
照れ隠しに、ビリッと勢い良くおにぎりのフィルムを開けた
まさかまた、3人でここで過ごす事があるなんて
単純な俺は…
とまどいながらも、素直に喜んでしまってた
しょーちゃん?
ニノ?
ふたりは、どんな思いを抱いてここにいたの?
俺は ホント、
バカで、空気読めないね
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