第4章 真実
衛兵はスノードロップに入国し、召使いに変装し屋敷に侵入すると、産まれたばかりの赤ん坊を抱きかかえる。ふにふにしている赤ん坊は少し力を入れたら潰れそうだと過ぎる。赤ん坊は人懐こく、知らない人に抱っこされてもきゃっきゃと笑っている。
その声に衛兵は自分がしていることを赤ん坊は分かっていないことに、胸が締め付けられる。
護衛は赤ん坊を寝かしつけ、持って来たリュックに入れてサイファに戻った。
国王に赤ん坊を見せると、目を丸くする。
「どう言うことだ?これは王女ではないか。産まれたのは王女だったと言うことか。誘拐なんかしなくてもアレクが次期長で決定であったのではないか。」
「この赤ん坊、国に戻して参ります。」
「やめい!そんなことするでない。今頃王女が誘拐されたと騒がれており、こんな時に返したら我が国が誘拐したことバレてしまうではないか!少し可愛そうだが殺してしまえ。」
衛兵は俯きぎゅっと唇を噛む。
生まれたての赤ん坊を殺すことなんて出来るはずがない。
「国王様、殺すのであればこの屋敷のメイドとして働かせるのはどうでしょうか。住み込みで働かせれば従順なメイドとなること間違い無いです。」
「…そうだな。好きにせい。」