第1章 ~第一章~すれ違う二人
―――宣言式から数日後―…
私達は相変わらず忙しい日々を送っていた。
(今日もジルは執務室でお仕事をしているし、私は今からレオと勉強があるから少し寂しいな…)
晴れて夫婦となったものの、それぞれ忙しく、教育係とプリンセスという立場の頃に比べると、私達が会える時間は格段に少なくなっていた
そんな事を考えながら、私は今日も勉強のためにレオの執務室へと向かった。
――――――……
レオ「…で、カシミヤ国は繊細なドレスを作る技術が盛んな国で……、って…ちゃん聞いてる…?」
「…っ、ごめんなさい、レオ。もう一度、お願いします…」
レオ「……ちゃんは、本当に素直でわかりやすいなぁ~…どうせまた、ジルとなかなか会えなくて寂しいとか考えてたんでしょ?」
そう言って、レオは苦笑いしながら私の顔を覗き込んだ
(…っ、レオには何でもお見通しなんだ…)
「それは、その…ごめんなさい…」
レオ「気にしないで。…まぁ、誰かさんは仕事馬鹿だから、休みの日でも仕事したがるし、ちゃんが寂しがるのは無理もないよね」
そう言ってレオは眉を寄せながら、大袈裟に溜め息をついた