第4章 導きの星は誰を照らす
この宿屋はとても雰囲気がいい、日当たりのいい食堂に並んだ素朴なドライフラワーのブーケや木製の器や皿が、のどかな村の素朴ながら美しい自然と調和されとても居心地がよく感じる。
そして、
「やっぱ、女将さんいいなぁ~・・。」「優しくて物腰が丁寧で明るい」「あの若さで6つの子供の母親とかいまだ信じらんねーわ」「俺、一度プロポーズしたけどフラれたわ」
「やっぱ、高根の花だよな~」「・・・・息子の前でよくそんな事言えますよね」
食べながらそ知らぬふりをしていようとしたが聞き捨てならない言葉に険を帯びる。
「だって、息子にしたって留守中自分の大事な母ちゃんに何かあったら心配だろ。」「それに父ちゃんだって欲しいだろ」
「前者はそうだとしてもあんた達みたいな邪な感情持ったおっさんがははさまに近づく方が許せません。ははさまさえいてくれれば俺他にいらない」
「ひで~」「相変わらずだな・・・。」
いつも、俺が帰ってくるとこうしてははさまのところに男達が群がっていた。母は邪険にすることなく、むしろ『普段はあまり来ないわ。ルプスがいるから皆、からかいに来ているだけよ』などと便宜する。
「でも、ひでぇ、男もいるもんだな。あんな気立ての良い優しい人を放っておくなんて」「村の娘たちの手助けがあったとはいえ、女手一つでこんなに立派に息子育てて・・」
「何度か他の村とかで見合いの話しあったけど、断ってるだろ?自分を捨てた男に操建てて・・・」「そんな義理も必要もないだろうに・・・」「で、女将さんの故郷見つかったかも知れないんだろ?」
「もし、お前の父ちゃん見つかったら会わせろ。一発ぶん殴ってやらねーとな」
村の皆はははさまの事を自分の娘の様に大切にしている。
だから、ははさまが望んでいなくてもははさまの故郷を探し僕の父親を見つけようとしている。
「・・・・・・うん」
でも、その時がくるのが怖かった。
「何のお話???」「!!!?」「い、いや。何でもないぞ」「男同士の話に首突っ込んじゃいけねぇーよ」
「あまり、変なことしないでね。食器棚にトカゲ仕掛けて、危うくお皿割るところだったんだから、次は許しませんよ」「おっさん達そんなことしたの?」
その時、俺と母はこの村にいられなくなるそんな気がして・・。