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[イケメン王宮]グッバイ!racrimosa

第3章 里帰り


その後は予定していた舞踏会も恙無く終わり国王の執務室に国の要人達が集まっていた。「何でこうなっちゃうんだろ」「6年間嘘を突き通す貴方の執念には驚きました。」「嘘の代償が永久只働きってひどくない?せっかく念願の料理人になれたのにありゃ確実に見つかるまで休業じゃん。」「王城でも料理はできるぞ」「見つかっても只働きじゃないの?」「お前ら希望を持たせたいのか絶望させたいのかはっきりして」事実を言っただけなのだが、
「いずれにしろ、気になるのなら探るしかないだろ?。」
「やめとけ、あんだけ探るな言われたのに、忠告は聞いておけ。」「ルプスを探るのも却下だわ。あん時のあいつの目妙な詮索したら容赦しないって顔してた。」
「おぉ、大公子息どの手懐けられてる。」「お前もだろ、聞いたぜ武術大会で完膚なきまでに負かしたって本人から。」「あれは勝ちを譲ったんですー。まぁ体術は相当訓練されてたよ。ガキのくせに恐ろしい程適確に急所狙ってきたし、のわりにあと引く痛みはない。
」一時的に動きを封じ、自身の安全を最優先にする『護る』力。
「相当の鍛錬が必要だよ。あんな子供がどうしてそこまでって本気で考える。アルスってどんな国なんだよ?」
「元々は狩猟民族だと、国内の領地ごとに独立した文化があり、領土を奪い合う争いが絶えない」「その説明少し古いです。領土争いはもう100年くらい前に不可侵条例が確立され今は大きな部族が4つに分かれて領地を統治しています。
 今は各部族の農業、医療、学問が王都のある中央で研究され、他国にはない独自の叡智として日々国民の暮らしの助けとなっています。」
 小さな執事がお茶を持って執務室に顔を見せた。独特の香りのする薬湯を手渡された。
 「その中でも私の村は、深い森に囲まれた辺境中の辺境でもともと住んでた少数の部族と棲家を追われたまつろわぬ者が移り住むようになった土地。これと言って何の特色もなかったのですが、薬師のルナさまがうちの村に群生する雑草が薬草として効用があることに気付いて、国の中央で研究。もともと豊富な自然をいかして療養地にしたら国王が興味を持たれ国から援助してもらえるようになった・・・。」
 呑んでみると苦みの中に甘みがあり喉どおりもいい・・・心身に溶け込む優しい味が疲れを癒していく。
 
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