第3章 里帰り
「皆様、お揃いで如何なされました?」「ん?少しね、ルプス。ちょっとゼノ様の隣に立ってみてくれる?」「レオ様意味がわかりません。」「いいから、少しだけ確認したい事があるんだ。」何やら含みのある言い方に戸惑いを隠せない・・。
「・・・・レオが言い出したら聞きません。申し訳ありませんが・・」
不安げにジル様を見上げれば、少し困った顔で促される・・。しかし、あいては隣国の国王陛下だ。隣に立つなど・・・。
「・・・・・・。」
戸惑っていると隣に影が差す・・・見上げれば自分と同じ色彩の男が立っていた・・・。瞳の奥に映る自分とどことなく似ている・・・。
「・・・・・似てるな」ソルが掠れた声でそう呟く・・。
「おい、ボーズ。お前、父親は村の出身か?」
「・・・・・・シド」
まただ・・・・時折この国の上層部は・・・探るように僕に問いかける・・・。何を求めている・・・。
「・・・・・・。」「おい、聞いてんのか?」
それがたまらなく不快で、不安で・・・
「聞いてどうするのです。」「あ?」
「聞いてどうするのですか?たかが辺境の平民の子供の素性等気にして、何を疑っているのでしょうか?」
「・・・・・・・。」「父親の素性が気になりますか?母親の素性がこの王城で暮らすうえで何の関係があるのですか?私が一人、祖国の王の推薦でこの国に赴いたことがそれほどまで怪しいのでしょうか?」
最初から自分に村以外の居場所などなかったのだ・・・・そう言われているような気がして・・・。
「なにゆえ、聞いてくださらない?探りを入れる前に何故?何を聞きたいのか。それすらも言えませんか?
子供に話す価値などないと言いたいのでしょうか?」
矢継ぎ早に話した後、シン・・・と空気が冷えた。その場だけ隔絶したように周りの喧騒が遠く耳に響く・・・。
反論するとは思わなかったのか、呆然と立ち尽くしていた。ざまァみろ・・そんな悪態を内心つく自分にも嫌気がさした・・。
「おや、倅がいる・・・。おぉ、孫もいるぞ」「あなた、そのように燥がないでください。」
「なっ!?親父とおふくろ!??」