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[イケメン王宮]グッバイ!racrimosa

第3章 里帰り


捜し物は思っていた以上に困難だった。
と、言うのも先程まで多少なりと甘えてくれていた少年がある事がきっかけで全く頼らなくなってしまったから、
とりあえず、後を追って、聞いていた大きさの物を片っ端から拾い見せていた。

「・・・・・」警戒心丸出しの子供にほとほと困り果てた。
「いい加減にしないか!?捜し物が何なのか、何処で落としたのか教えねば分からないのだぞ!?」強い口調で言うも口を噤むばかり
「ねぇ、せめて何を探してるのかだけでも教えてくれない?」「・・・・別に頼んでない。」これには流石のアルも怒った。
しかし少年の顔を見た瞬間に言葉を失った。
先程まで天真爛漫な顔を浮かべていた筈の子供の顔は鋭く険しい顔をしていた。まるで恐ろしいモノを見るように
「一体、何を気にしているのだ?」「迷惑とかは考えないで、俺は手助けしたいだけだよ。君にとってとても大切なものなんでしょ」
・・・・・コクン 小さく頷く。
「なら、教えてくれないかな?」ユーリは優しく聞く
・・・・・フルフル一度迷い首を横に振る
この繰り返し
こうなってしまったはっきりとした原因は分からない。
捜し物がどんなものなのか、誰から貰ったのか。何をしにこの国来たのか
それを聞いた途端表情が強張り先程まで口すら聞いてはくれなかった。そうこうしていくうち時間だけが過ぎていく。そろそろ2日目に執り行う儀式の時間だ。流石に手伝えなくなる
「俺達そろそろ儀式の方に向かわないといけないんだ。その前にせめて名前だけでも教えてくれないかな?」「捜し物がもしもみつかったなら届けると約束する。」
しかし、少年は口を開こうとしない・・・・・そろそろ時間だ。
アルバートも険しい顔をするが優先すべきは側近としての公務。 ユーリと共に互いに目配せして踵を返す。

「ルプス・・・・・・」小さな声が聞こえる。振り返るが其処に子供の姿はなかった。
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