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[イケメン王宮]グッバイ!racrimosa

第3章 里帰り


「中々見つからないなー何処にあるんだろうねー。
おじさん」「ユーリ貴様っ!」余程面白かったのか先程から俺の事をその呼称で呼んでいた。不名誉極まり無い上、自身は俺と然程変わらない歳だか『兄様』と呼ばれた事も原因だろう。
「それにしても、アルおじさんにしては随分と優しいよね。」「いい加減にしろ」「おじさん随分丸くなったよねー、もう結婚してても可笑しくない歳だもんね。アルおじさんも」「お前もだろう」反撃のつもりで言うが尚、面白そうに「俺は「あにさま」だもんねー。あっ!ゼノ様もきっと『あにさま』だろうな、いやむしろ・・・とにかくアルだけおじさん」きゃらきゃらと嗤うユーリに青筋をピクピクと作っていく、しかし其れは俺の呼称に、ではなく。剣を握る手に力を込めると、
「冗談だよ。おじさんはもー、少しくらい考えたくなるよ。プリンセスがいたならきっとゼノ様にだってあれくらいの子供がいても可笑しくないでしょ?」「いたらばの話だ。ゼノ様に子はいない」「でも、よく似てるよ小さい頃のゼノ様に」
他人の空似にしては恐ろしい程に似ていた。歳は5つか6つ程、ゼノ様よりも喜怒哀楽といった感情がよく見えるが聡明な面差しは驚く程似ていた。
「本当にゼノ様の子って可能性は?」「無いとは言い切れないがあの頃王妃様に懐妊の兆しは見られなかった。」
しかし、我が主人は会う度にあの方に愛情を注がれていた。それが王族としての役割である以上に王は妃を心の底から愛していたのだろう。だからこそ今尚、行方不明のプリンセスを探している。
「若子様であるかないかはまだ言及する必要はない。」
「そうだね。もしかしたらステラ様の手がかりになるかもだし、もし、若子さまなら貴族院達に利用されちゃう可能性だってあるもんねー。流石おじさん優しいね」
「若子様ならば、貴様は正式に『叔父』と言う事になるな」
意趣返しは成功したのか少し複雑そうな顔をさせる事が出来た 「あ、それはちょっと複雑かも、でもあんな可愛い甥っ子に慕われるとか嬉しいかも笑った顔ステラ様にそっくりなんだもん」
・・・・・・能天気な事だ。
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