第2章 考察と調査
びっくりして慌てて後ろを向くと年若い男の人が立っていた・・・ははさまと同じくらいの年だろうか?
端正な顔立ちと赤い瞳がレオ様に似ている。
すっと背筋を伸ばし姿勢よく立っている様は騎士の様に王子様のようにも見える。
「ほら、早く吊るせ。届くだろ」
そう促されて慌てて花を吊るすメッセージカードは中のしおりと押し花が落ちないように糊付けされてあるので心配ない・・・。
飾られたのを確認するとゆっくりおろしてもらう。
「今度からは昼に椅子使って吊るせよ。夜遅いんだし」そう言って回廊を出ていく・・・。お礼言い忘れちゃった。
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・後日、気になってレオ様にそのことを話すと
「多分、それはアランだよ・・。」「アラン様??」
「俺の双子の弟で騎士団団長をやってるんだ。帰ってきてたし、花を吊るしてたのが誰だか気にしてたから間違いないと思うよ」
レオ様には花をもらうので事前に計画を話していた。
彼は面白そうに笑い、騎士たちの巡回の時間を教えてくれた・・・自分で調べるつもりであったが手間が省けてよかった。
「でも、珍しいな。アランがプリンセスの部屋の前通るなんて・・・・。」
捜索団を率いているアランはその部屋の住人がいないことをだれよりも知っていたから踏み入れる事はまずなかった・・。まぁ、困っていた子を助ける優しさは相変わらずだが・・・
「お礼がしたいです。どこにいますか?何をすればいいですか??」
丸い可愛らしい目が頼みごとをするときのプリンセスの目に似てる。
その眼に自分はどうも弱いらしい・・・弟に対するちょっとしたいたずら心も助け・・・
「あいつなら・・・・」
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今日は非番で朝からいい天気だった。丁度いいので愛馬のブラッシングでもしようと思い厩に踏み入れると
「きゃはははは、やめっ!くすぐったいよ~・・。あっ!こらまだ駄目だって」
先客がいた。どうやら厩の掃除をしてくれていたみたいだが馬たちに完全に遊ばれていた。
「こら!やめてやれ」声をかけると馬たちはぴたりと止まる。
そして・・「お前は・・・」
「助けていただきありがとうございます。アラン様」
先客はどうやらあの子供だった。