第2章 考察と調査
「・・・・・ん??」
しばらく休暇をもらったアランは城内を歩いていた。
「綺麗になってる・・・。」
滅多に人が通らず人が使わなくなったこの道、埃と煤でだいぶくすんでいたのだが・・・塵一つなく・・・絨毯まで綺麗になってる・・・。
しかも柱に一定の間隔でドライフラワーが飾られている・・・ドライフラワーを束ねる紐にはカードが括り付けられており、城下の者が城門に供えた花とわかる。
誰かが気分転換にそうしたのかと・・・その時は思った・・・。
しかし、
次の日もその次の日も・・・城内を歩くと、ドライフラワーの飾られた道がいたるところに出来始めていた。
しかも廊下はとても綺麗だ・・・・というか。使わない通らない近づかないの旧騎士団寮(現在物置き)の旧式トイレの道とかにも飾るってどんだけ暇を持て余してるんだ!?
という位どんどんドライフラワーの道が増殖していた。
しかも、各道に毎日違う花が飾られており・・・。
『おっ!今日は・・・またこったドライフラワーだな。』『旧式トイレの道も綺麗な花飾ってたぞ・・・下手したら騎士寮より綺麗になってんぞ。向こう誰も使わないのに』『何で、お前花見にあそこ行ってんだよ。つーか誰が飾ってんだ?』『知らねーメイドさんだろ』『それもそうだな』
全員が道がドライフラワーに浸食されていく事を受け入れ始めている・・・。
まぁ、城の中が綺麗になったし、華やいで見えるのはいい事であるが・・・本当に一体だれが??という疑問が過ってしまう・・・。
城の常勤の女給仕に聞いても誰が作ったのかわからず、逆に『アラン様がお作りになったのでは』と変な検索が起きた。違うといっても、作り方を教えてほしいとせっついてくる有様・・・。
・・・・・・・・・・・マジで誰なんだ?
早朝に働き出す女給仕にもわからないとなると、そいつは日の出前に花を取り除き、新しい花を飾っている事になる。
しかも夜廻の騎士を掻い潜ってである・・・。
スパイとかならかなり拙いだろ・・・。
しかし、
『それはないっすよ!』『隊長殿は神経質ですよ~』
『花を飾る女(ヒト)に悪い人はいませんよ』
と笑われた・・・。まだ花を飾っている主が女であるかもわからないのに・・・だ。騎士が・・・・、部下が・・・。
・・・・・・・・・・・この国大丈夫だろうか??