第2章 考察と調査
「それじゃあ、どうもありがとうございました。」
「もういっちゃう~~??」「今日はいつ帰るの??」
2番目と末の子がそう尋ねる。すごい懐きようだ・・・。
「帰れないよ。今日からお城の寮に泊めてもらうつもりだから」「お城!!すっごいね王様にも会えるの??というかアナタ王子様になるの??」長女の食いつきようが凄い・・・。
「クスクス・・・ちがうよ。執事さん王様やお姫様にお仕えする家来。王子様になんてなれないよ」
「なぁ~んだ」「なぁなぁ!!今度遊ぼうぜ!!!おれお城の中興味ある!!秘密の抜け道知ってるんだぜ!!」
息子よ・・・それはパパが仕入れた国家機密だ。
「いつ帰れる??その時はお家に一緒に住む??」
「う~ん。どうだろ?」返答を濁すと
「なんで?なんで?」「抜け道教えるから~!!」と了承するまで離さないとばかりに
「ほら、あんたたち・・ルプス君を困らせるんじゃないの・・・。本当にごめんね。よっぽどあなたの事を気に入ったのね。」 「・・・・。」
「迷惑じゃなかったら、またこうして家に遊びに来て。おいしいお料理ごちそうになりたいし。子供たちの言うとおり
寮じゃなくてここに下宿してもいいんだからお部屋もたくさんあるし」
「ほぉ~妻よ。俺の料理では気にくわないと」
「あんたはお店の仕込みでほとんど家にいないじゃない。とにかくよかったら考えてみて・・ね?」 「・・・・はい」戸惑ったようにでも、どこか嬉しそうにそう返した。
「まぁ、お城の執事嫌になったらおれの店に来い。料理人として永久雇用してやる」「それはご遠慮させていただきます」「・・・・・・・。」
きっぱりと断られた・・・しかも食い気味に
「それじゃあお勉強頑張ってね。」「お城の事聞かせてね!」「今度お城に遊びに行くからな!!」
「いってらっしゃ~い」 「・・・・・・いってきます」
「いってしまったわね・・・。お義母さんの言うとおり、他人のような気がしないわ。」「・・・・・。」
「あのオムレツの味ソルの作るのと味付けが全く同じだったのだもの・・・他人がそんなこと出来る?」
妻の言うとおりだ。使うハーブの種類、量、塩加減、焼き加減に至るまで全く同じだった・・・・。
「お前が・・・俺たちにとっての導きの星ならいいな」