第2章 考察と調査
どれくらいそうして甘美な果実を味わうように唇に触れていただろう。
クチュ・・・グチ・・・ッ・・・・グチュ・・・
誘われるように足の付け根の奥へと指を忍ばせれば、微かな湿り気を帯びており、優しく弾く様に引掻く様に触れれば水音が足元からも互いの口元からも妖艶に響く
『んぁあ・・・・ふぅんンン!?・・・。あぁ・・っ』
甘い声が耳朶に犯され己の熱が限界まで高ぶるのを感じながら、秘された泉へと指を入れていく。
『んぁ・・・はぁ・・・あぁっ・・・や、やぁあん!?
ンフゥウウッ!!??』
彼女の体の中へと忍ばせた指が締め付けられるのを感じるとようやく愛しい人の唇から己の唇を外す。愛しい人の目は涙を浮かべている為か金色の色彩を宿し肌は薄紅色に紅潮し、触れ合っていた互いの唇には銀の糸が引き赤く腫れており眩暈を覚える程妖艶だった。
「すまない・・歯止めが利かなくなった」
そう言葉にすると目に浮かんだ涙が一筋こぼれる・・・瞳の奥には期待と情欲の色が宿っているのを見逃さなかった。
一度瞼に口づけ、白い首を・・・のど元を噛みつく様に舌を這わせると
『はぅ・・・ぁん・・・ふぅ・・ぅう』
口籠った声と共に所有の印が花弁の様に首に現れる。
唇で優しくなぞる様に首筋を這いながら、互いの肌を暴いていく美しい肌が窓の月明りに照らされ白く輝く。
「・・・・・いいか?」
優しく問いかければ、情欲に濡れた瞳が隠れ清らかな笑みが答えとして帰ってくる。額づきへと唇を寄せ、耳元へ万感の思いで優しく囁いた
「愛している」
その言葉に・・・・返答はなかった。
目を開けると見慣れた天井が見える。隣に目線を移せばやはり恋しい人はいない。
深いため息とともに寝台を離れ椅子に掛けられた服の中からあるものを取り出す。
ちいさな星空が施されたカメオのペンダント愛しい人からの贈り物
ゆっくりとふたを開ける
「ステラ・・・。」
愛しい人の絵姿はロベールが描いたものを除きすべて処分し、その絵も誰の目にも触れないよう隠した。
愛しい人の姿を眠り以外で見ることが出来るのは唯一このペンダントの中だけとなった。
「どこにいるんだ・・・・。」
悲壮な王の問いかけに答えてくれる存在はなかった。