第2章 考察と調査
夜は嫌いだった。まっくらで怖くて・・・寂しくて
寝れなくなって、いつもははさまのお部屋にいくの・・・
そうすると、いつも一緒に寝てくれるの
眠るまでお話してくれたり、うたを歌ってくださるの
でも、朝はいないの
毎朝、早くに起きてご飯もお掃除も全部終わらせて、染物や織物をする・・・・ははさまの手はお姫様みたいに白くてほっそりしてるのに傷だらけで、痛そうなのに
「この手は、私が頑張ってる証だから。アナタも誰かの為に・・・ね」
そう言って僕のお手手を優しく撫でるの・・。
誰よりもきれいで、優しくて、ニコニコしてるはたらき者のははさま
皆が大好きでみんなもだいすきな、ははさま
でも、いつだろう・・・・いつもみたいにお部屋に入ろうとした時
ははさまは泣いていた。お星さまをみて泣いてた。
真っ黒な髪の間からお星さまをポロポロこぼしながら、
誰かを呼んで、ないていた・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・・・!」
見知らぬ天井に一瞬戸惑いながら、自分がいる場所を思い出した。
にぎやかな食事、おじさまのお膝の上に座らせてもらいながら食べた・・・・おいしかった。
こんなに賑やかなご飯は初めてだった。
楽しくてご飯もいっぱい食べて気が付いたら寝ていた。
枕元に置いてあった手紙2枚を掴み抱きしめた。
優しいミモザとカモミールの優しい香りが漂う。
城下でもらった手紙には城に宛てた書類と村のみんなからの励ましの手紙
届けられた手紙からはポプリと白い手袋とスカーフ
そして、
「『私の大切で愛するルプスへ伝えきれない愛をこめて』」
表面にメッセージが書かれたサシェが入っていた。
「ははさま、ルプスはちゃんとウィスタリアについたよ・・・これから頑張るからね」
そういってお布団にくるまり目を閉じた優しい母の香りのする手紙を抱きしめて。