第2章 考察と調査
「ぶははははははっっ!!!!」
愚痴交じりにシドの店に行き強めのお酒と共に暴露すれば、帰ってきたのはこの爆笑である。
「笑うんじゃねぇ!!?シド!おめぇだってあの子にしてみればおじさんだぜ!!絶対!!!」
「あぁ!?別に構わないぜ・・まぁ、その前にちょっと灸を据えるかもな」
「そういえば、その子供に返り討ちにあった。みっともない大公ご子息がいたっけな~・・・。」「・・・・・・・。」
二人の間に不穏な空気が漂う
「まぁまぁ二人ともいいじゃないか、既婚者なんだしおじさんでも・・・」
ノンアルコールのカクテル片手に苦笑交じりで話すレオ
しかし肩が震えてる。
「俺はまだ未婚だ!!!」シドが怒鳴り
「自分は教育係兼上司で『様付け』確定だからってええかっこしい!!!」
「あぁ~~うっせーーー。」
連れ達のやり取りに辟易していたのはこの国の王宮直属の騎士団の騎士団長『アラン・クロフォード』であった。
プリンセス捜索の指揮を執っていて、ようやく今日帰還した矢先、双子の兄である『レオ』に連れてこられた。
こんなことなら早々に寝とけばよかった・・・。
しかし、ソルと逢うのは本当に久しぶりだった。
彼とは実は騎士学校時代の先輩後輩・・しかももっというとルームメイトだった。
平民の出でありながらずば抜けて頭良く、強く、人望もあり・・・かなりぶっ飛んだ人間だった。
プリンセスが行方不明になったあの日、実家に訪れたとき彼を見て『冗談だろ?』と言った。
いや、まぁアイツも結構無茶するけど・・・常識の範囲内だったし、
こいつは夜な夜な食堂から食材盗んで調理し、鍛練場の鍵を壊して宴会開き、気に入らない人間いたら貴族だろうが教導官だろうが殴り飛ばしていた・・。
それで、なぜか同室の俺は怒られた・・・・と
思い出せば腹立つことばかりだが、何故か憎めないのだ・・・。
人を惹きつけるという意味ではプリンセスと血縁なのだろうが、彼女もきっと兄に苦労したはずだ。
「それで、アランはなんて呼ばれると思う?」
「別に、どうでもいい。」
ガキ相手にムキニなるだけ無駄だろ。
「騎士団長だな」「アランおじさんだろ」
「あ゛ぁっ!?」
こいつら二人は別として・・・。