• テキストサイズ

[イケメン王宮]グッバイ!racrimosa

第6章 5章 冒頭 運命の分かれ道


「よもや、我が領民が件の事件の犯人とは」
「違います。この子は異国の方だがこの村に移り住む様になった村の住人です。」
「娘、出身は何処だ?何をしていた?」
「わた、しは・・・」

言わなければ、でも、本当の事を言いたくない。偽りも述べたくない。何を言っても村の人に迷惑をかけてしまう。
「言えぬことか?件の事件とやはり関わりがあるのか?」
「領主!それ以上の追求はどうか、知っている限り私が説明します。身重の彼女にそれ以上は」

「税は確かに規定の値支払ってる。がそれも牛や馬を売ってのものだ。そして薬代もある治療費も、それを異国のモノ為に何故我が領民が支払う?」
「我らとて元はまつろわぬもの。他者に奉仕する事は当然の事にございます。森の神がこの子を連れてきたなら尚のこと。」
「不確かな迷信に縛られるか、娘、そんな施しを貰っていながらお前に何ができる?
王都の人攫い共に狙われるお前を匿う者に」
わからない。この人達の恩に報いる術は今の自分に思いつかない。
否、一つだけある治療費も賄え、恩賞として確かな価値のあるものが、しかしこれを差し出してしまえばこの子は一生父親に会えないかもしれない。

「この村は領地の中でも特に貧しい。染物以外何の取り柄もなく森の恵みと領民の努力で生活を守っている。お前一人のために幾つの恵みを潰した?このままお前を残して何の役に立つ?」

「取り込み中ちょっと良いか?」出かけていた御仁が帰ってきた。
「まず施設のことだけど施設事態は国が資金を出すから領民から搾取する必要はない。治療費の支払いについても彼女の病事態特殊で検査が必要だから王宮医療機関が負担するし身元も王宮専属医師長が保証しているんだよ。」
「「「「は?」」」」
寝耳に水の話だし。かなり込み入った話に淀みなく答える。

「で、君の危惧してる人攫いについても王都のから、もう護衛官が各地に配属されてるから心配ないよ。王都の方では既に人攫いの犯人殆ど捕らえられたし、そもそも、領地税事態認めて無いはずなのに民から搾取し、一領主が民の一人や二人抱えて守らないとかそっちの方が嘆かわしいのだけど。俺としては」
そう言って何かを取り出す。杖だ。
「なっ!?国王」
「お前の杞憂もこれで晴れたろう?国王自らの誓いと王命だ。慎んで受けるが良い。」

/ 231ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp