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[イケメン王宮]グッバイ!racrimosa

第6章 5章 冒頭 運命の分かれ道


「ちっ!こっちもハズレか。まぁ雇われものが掴んでる情報なんてたかが知れてるか。」
このまま村に帰るべきか、もう少し王都で妹を装うか。悩ましい。

薬について何か分かるかと思ったが駄目だ。唯、確認され、是とすれば同行を願われ、否と言えば力尽く。
是と答えて情報を探ったが目ぼしい情報は何一つ言われない。
依頼人についても妹なら知っているだろうという風体で話が逸れる。が
どうやら一覧の事件妹が狙いらしい。


「少し怖がらせてしまったな。すまない。とりあえず妻や子供達は大丈夫だよ。王都で一番安全な場所にいるから」

そう言って頭をなでられ、出かけた御仁。姉がいないいま、頼れるのは村の人だけ。あの御仁は事をどこまで知っていて何者なのだろう。ともかく姉には早く帰ってきてほしい。


「税はこれだけか?最近染物で良い値がついた筈だが?」
「はい、ですがうちの村は病人もいて子供も働きに出てもらう始末、規定の値が精一杯でして」

毎月の税の徴収だ。普段なら姉がいて上手く言いくるめてくれるが肝心の姉がいない。というか、聞いた話では今まで毎月王都に行き支払いを済ませていた筈なのにどうして最近直接来るようになったのか

そもそも規定の値を支払ってるのだから多く渡す必要は、
「この領もあの草のおかげで豊かになった。ならばこれから広めるために広い場所が必要だろう。その為の施設建設に金が必要なのだ。国王からも建設の許可は出ている」
妙だ。許可が出ているならそれなりの資金を貰えるしそれで賄える筈だ。

「それに、病人を囲っていると言うのも怪しい。税の徴収への言い逃れではあるまいな」「その様なことは決して」

「怪しいな家の中を改めさせてもらう」此方に近づいてくる足音に身がすくむ。
「おやめ下さい。中には病人も子供もおります。」
「後ろ暗いことが無ければ何の問題もないだろう」
後ろ暗いことはない。否、こうしてこの村に迷惑をかけてしまっている。その事が心苦しい
「領主!?」
村長の悲痛な声のする方に背の高い男が立っていた。高圧とした立ち姿の目ばかりが剣呑とした細面の男。

「なるほど、確かに病人で子供もいる。しかし、厄介な。」
「王都の人攫いにあっている女性と特徴が一致するな」
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