• テキストサイズ

[イケメン王宮]グッバイ!racrimosa

第6章 5章 冒頭 運命の分かれ道


部屋を追い出されてそろそろ一刻が過ぎた。非番の日に駆り出されるのはごめん被りたいがやはり、心配だった。
昔から自分と言うものをあまり出さず周りに合わせる様な傾向のある子だ。
具合が悪いのに無理をして倒れた時もある。

それに、久々に見た妹の顔は水晶の様に透明感のあり、また儚げだった。今にも消えてしまいそうな。
思い詰めた表情も気になる相談に乗ってやらねば
それにしても、だ。

「問診にしては随分遅い。」
まさか、悪い病気とか。無いとは思うがあの変態の興味を惹く何かがあったのか、嫌、それは無いわ。あの変態は人体の構造に興味を持っているがそれもあくまで死体に限っての事だ。
私の妹に対しても皮被った自動式人形位にしか見てないだろう。
だとすると、悪い病気か・・・?やはり様子を見に行こう。

扉を開けようとドアノブに手をかけるのと扉が開くのはほぼ同時だった。
「うわぁ!?危ないなぁ〜、誰よ・・・・って」

目の前にいたのは今考えていた妹だった。
「どうしたの?」
私は彼女に聞いた。何故ならあまりに儚げで頼りなく、顔が蒼褪めていたから、
「なんでもない。」「ウソ」「本当に何でも・・・」
手首を掴む。冷たく、このまま力を込めれば折れてしまうのではないか?酷く細っそりとしている。しかし、今はそれどころではない。
「嘘。何でもないならそんな顔しない。何があった?何言われた?」
少し強い口調で言うも、答えようとしない。まるで駄々をこねる子供のように首を左右に振る。手首を掴む手を外されそのまま外へと向かってしまう。逃げ足だけは相変わらず早いと見える。

仕方ない。


「こらこら、部屋に入る時はノックと一言かけるのが大人の常識ですよー。蹴り破るなんて以ての外ー」

「あの子に何を言った?」「無視ですか??まったく最近の子は」
「はぐらかすなよ。今の私にそう言う小細工効かないから」
「何も、医者として適切に診察、診断を下した。それだけ。
診察の結果については本人から伏せてくれと言われたので直接聞いて」これ以上は何も言う気は無いとばかりに担当患者のカルテを確認していた。仕方ない。
「随分、肩に持つね」「妹心配して何が悪い?」

「なら、気にかけてやれ。今はそれが一番の薬になる筈だから」


/ 231ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp